共同住宅の騒音問題に注意!原因は?対策は?

公開日2024/01/12
更新日2024/01/11

よくある近隣トラブルにご注意!

  • マンションやアパートなどの共同住宅に住んでいると、上下・左右の隣り合った住人とトラブルになる場合があります。 なかでも漏水事故や騒音問題が代表的なトラブルとなっていますが、今回は音に関する問題について深掘りしていこうと思います。

マンションの騒音問題

音について

みなさんはふだん家で生活しているとき、自覚はなくともさまざまな音を出しています。
「歩行の音」「洗濯機の音」「掃除機の音」「テレビの音」「音楽」「子供の泣き声」「ペットの鳴き声」「外からの雑多な音」など多くの音を日常で感じているのです。
これらの音は自ら出している分にはあまり苦痛に感じません。
なぜならば、行動を起こす前にその音を認識したうえで行うからです。
しかし他者から出された音に関しては苦痛に感じることがあります。就寝時に足音が聞こえたり、早朝からペットの鳴き声がしたりと、自分が望む環境に対して阻害要因となるときは他者から発せられる音が苦痛に感じるのです。
これが共同住宅の騒音問題の一因となっていると言えるのではないでしょうか。
 

後を絶たない騒音問題

騒音問題は昔から存在し、騒音問題に端を発する事件もテレビなどで時折放送されてきました。
最近では「公民館で合唱練習していた人が近くのアパートに住んでいる住人に刺される」という事件があり、原因は隣のアパートに住んでいた加害者が合唱に悩まされていたことでした。人によって騒音だと感じるレベルが違うのは、人によって望むべき生活環境が異なるからだと思われます。日勤の人もいれば、夜勤の人もいる。静けさを求める人もいれば、賑やかな空間を求める人もいる。
先ほど述べたように自分の望む環境を阻害する音が定期的に行われれば、騒音として捉えてもおかしくないのではと考えます。
 

お互いのために

騒音問題は相手の生活が見えないことにより起こりえるものだと自分なりに解釈しました。
それを踏まえて必要なことは、まずコミュニティ形成の充実が重要であると考えます。
相手が見えないと、どうしても主観に偏って物事を考えてしまいます。電話で感情的にクレームを言った人が訪問時には落ち着いているという話を聞きますが、これは相手を見ながら話し合うことで自制が掛かるからです。
近隣住民とのコミュニティを形成することで相互尊重が生まれ、相手の事を慮ることに繋がるのではないでしょうか。

防音効果を上げる工夫も大切

 
次に防音効果を上げる施工です。元々防音を重視して設計された共同住宅ならば良いですが、そうでなければ床板を防音効果の高いものにしたり、床板の上にクッションフロアを敷いたり、二重サッシの窓に替えたりと工夫することも大事です。床材の遮音性能はL値で表記され、更にLH・LLに分けられます。
LHは重量床衝撃音に対する表記、LLは軽量床衝撃音に対する表記でなされ値が小さいほど遮音性能が優れています。これを基にメーカーのカタログなどでご自身が望む遮音性能を選ぶと良いでしょう。一方、サッシの防音性能はT値で表記され値が大きいほど防音性能が優れています。これを基にメーカーのカタログなどでご自身が望む防音性能を探してみましょう。「転ばぬ先の杖」という意識で対策を行えば、快適な近所付き合いができるのではないでしょうか。

このコラムを書いている人

相馬將志

相馬將志

千葉県出身 お風呂での鼻歌がいつの間にか熱唱にギアチェンします。 保有資格:宅地建物取引士/管理業務主任者/賃貸不動産経営管理士/マンション管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/簿記2級

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