SDGsが投資のチャンスに繋がる?                 

公開日2021/12/12
更新日2021/12/07


今年10月、愛媛出身である私にとって喜ばしいニュースがありました。
2021年のノーベル物理学賞を、同じ愛媛出身である米プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎さんが受賞されたことです。
真鍋さんがノーベル物理学賞を受賞するきっかけとなったのは、大気と海洋を結合した物質の循環モデルを提唱し、二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響するという予測モデルを世界に先駆けて発表したからだと言われています。
 
今回の受賞で、カーボン・ニュートラルなどの環境問題に対して関心を持った方が増えたかと思いますが、不動産業界である私たちも無関心ではいられません。

■ SDGsって何?

現在、日本は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにして、脱炭素社会の実現を目指す「カーボン・ニュートラル」を宣言しています。

実はこのカーボン・ニュートラルは、近頃テレビや雑誌などでよく耳にする「SDGs(エスディージーズ)」に関連しているのですが、みなさんはこのSDGsについてどこまで知っていますか?

“SDGs”とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき17の目標とそれに紐づく169のターゲットを指します。
日本ではピコ太郎さんがSDGs推進大使に任命され、「Public Private Action for Partnership(PPAP)」動画が大きな話題となりました。
SDGs における17の目標では、貧困、紛争、気候変動、感染症など、様々なものが取り上げられていますが、前回のコラムで触れたDXと同じように、不動産業界でも広く取り組んでいくべきだと強く感じています。
 

SDGs 17の目標

1. 貧困をなくそう No poverty
2. 飢餓をゼロに Zero hunger
3. すべての人に健康と福祉を Good health and well-being
4. 質の高い教育をみんなに Quality education
5. ジェンダー平等を実現しよう Gender equality
6. 安全な水とトイレを世界中に Clean water and sanitation
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに Affordable and clean energy
8. 働きがいも経済成長も Decent work and economic growth
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう Industry, innovation, infrastructure
10. 人や国の不平等をなくそう Reduced inequalities
11. 住み続けられるまちづくりを Sustainable cities and communities
12. つくる責任 つかう責任 Responsible consumption, production
13. 気候変動に具体的な対策を Climate action
14. 海の豊かさを守ろう Life below water
15. 陸の豊かさも守ろう Life on land
16. 平和と公正をすべての人に Peace, justice and strong institutions
17. パートナーシップで目標を達成しよう Partnerships for the goals
 
実際、多くの大手企業もSDGsへの取り組みを始めており、私たちの生活の中でも認知度は上がっているようです。

なぜ、多くの企業でSDGsへの取り組みが活発になってきているのでしょうか?

■ ESG投資って何?

SDGsと深く関係していることで注目を集めている投資が、“ESG投資”です。
ESG投資は「環境(Environment) 社会(Social) 企業統治(Governance)」の頭文字から構成されており、この3つの要素を配慮した投資のことで、“社会的責任投資”とも呼ばれています。
 
従来、投資家は企業の業績や財務状況で投資先を判断していましたが、リーマンショック後、短期的な利益を目指す投資スタイルへの反省や批判が高まったことで、世界規模でESG投資が注目されるようになりました。
社会的な課題解決が事業機会と投資機会を生むという考えのもと、SDGsが設定する目標を経営戦略に取り組む企業が増えてきているというわけです。
 
その結果、SDGsに取り組む企業は、ESG投資などのステークホルダーから高い評価を得られることになります。
日本政府においても、環境省と経済産業省が「サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス」を公表しており、その中でESG投資に対して積極的な態度を示しています。

■ 最後に…

日本では注目されたばかりのESG投資ですが、世界ではおよそ10年前から始まっており、日本は世界に大きく遅れをとっています。
その投資額は過去10年で約6倍となり、すでに世界の運用資産総額の1/4以上を占めていることからもわかるように、この状況は見過ごせません。
 
SDGsへの取り組むことで、企業としても存在価値を高められるだけでなく、社会貢献ができるのは素晴らしいことです。
今後、SDGsやESG投資を意識した経営がさらに世界で広まっていき、地球環境も含めた持続可能性の観点から投資に取り組むことを考えない企業が市場から淘汰される時代がやってくるかもしれません。

このコラムを書いている人

sakamoto

sakamoto

1985年 愛媛県今治市生まれ 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、簿記2級、JNA日本ネイリスト協会本部認定講師

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