投資用で買ったワンルームを売却するタイミングを相場から解説
\この記事を読んだらわかること/
- 東京都・大阪府の最近の相場
- 売却する際の注意点
- より高く、よりスムーズに売却する方法
【目次】

投資用で購入したワンルームマンション
「売却すべきか?」と考えるオーナー様へ。
不動産価格が高騰しているからこそ「売却するなら今!」と言いたいところですが、高騰しているが故に売却すべきタイミングに迷ってしまうオーナー様も多いはず。
不動産物件の売却は、タイミングを見誤ると大きな損失を招く可能性もあります。
実際、下調べをせずに不動産の言われるがままに売却をしたら、相場をはるかに下回る金額で売却されてしまうケースもあるほど。
ワンルームマンションの売却値は、事前の準備とタイミングで数百万円の差が出てしまう時もあるのです。
宅地建物取引士・FP2級の専門家監修のもと、投資用ワンルームマンションをより高く、スムーズに売却する方法を詳しく解説していきます。
投資用ワンルームマンションの基本
売却する前に、投資用ワンルームマンションの基本を振り返って行きましょう。
そもそも投資用ワンルームとは?
投資用ワンルームマンションとは、単身者向けの小規模なマンションを購入し、第三者に貸し出して家賃収入を得ることを目的とした不動産投資の1つ。
一般的に、ワンルームタイプの物件は一棟ではなく区分所有であり、購入者は1室単位で所有し、管理会社に委託して運用するケースが多く見られます。
購入資金は銀行などの金融機関から融資を受けて調達することが一般的で、賃料からローンの返済や管理費を差し引いて手元に残る金額が利益になります。
ワンルームマンション投資の魅力は、優良物件を購入すれば毎月安定した家賃収入が見込めること、ローンを完済すればマンションがそのまま資産になります。
空室による収入の減少や、物件の価値下落のリスクもあり、適切な知識と判断が求められる資産形成手段と言えます。
「オーナーチェンジ」物件の意味と特徴
オーナーチェンジ物件はすでに賃貸借契約が結ばれており、入居者が住んでいる状態のままで売買される不動産のことです。
購入した買主は、現在の賃貸契約内容や入居者、家賃収入を引き継ぎ、物件を取得した直後から家賃収入が発生している点が特徴です。
オーナーチェンジ物件は「不動産」というよりも「収益商品」としての側面が強く、金融資産の一種として取り扱われることも多いです。
利回り、空室リスク、管理体制といった複数の要素を総合的に見極める必要はありますが、運用次第で安定的な家賃収益を得ることができます。
\ FGHにおまかせ /
投資用ワンルームマンションの現在の相場は?
日本の2大都市である東京と大阪のワンルームマンションの相場を簡単にご紹介します。
本項目で覚えておきたい点は、東京or大阪共に相場は上昇傾向で、ここ十数年の中で最高値のまさに売却に適した時期ということです。
東京の相場
※本グラフは、国土交通省 不動産情報ライブラリより株式会社FGHが作成したものです。(1R,1K成約価格中央値)
日本一物価の高い東京のワンルームマンションの相場を見ていきましょう。
東京23区の中古ワンルームマンション成約価格は2013年上期の1,600万円から、2024年下期には2,500万円へと約56%上昇しています。
目安ですが、中古物件であれば1,500万円〜3,500万円、新築物件であれば3,000万円〜4,500万円ほど。
続いて賃料をみていきましょう。23区をランキング形式でまとめました。
※本グラフは、Yahoo!不動産 東京都の家賃相場より株式会社FGHが作成したものです。(数値は2025年6月19日時点のもの)
賃料は都心3区(千代田区・港区・中央区)が突出して高く、2025年6月の平均は15万円前後となっています。
一方、埼玉県・千葉県などの県境の区などは都心から離れる分相場も7万円~8万円と抑えめです。
いずれも、賃料価格の高騰は駅近・築浅物件がけん引しており、駅遠・築古物件との相場の差の開きが顕著になっています。
都心部では物件価格ほどは賃料相場は上がっておらず、表面利回りの低下から資産防衛目的の「限られた投資家しか買わない」状況がおきています。
>>東京都のワンルームマンション売却事情について詳しくみる
大阪の相場
※本グラフは、国土交通省 不動産情報ライブラリより株式会社FGHが作成したものです。(1R,1K成約価格中央値)
大阪府におけるワンルームマンションの相場は、東京都に比べて価格が抑えられており投資を始めやすいエリアとされています(東京以外の都道府県全てに言える事ですが)
中古ワンルームマンションの場合、市内中心部でも500万円〜1,500万円で購入できる物件が多く見られます。
東淀川区や住之江区、平野区などでは300万円台で購入できる物件もあります。
北区(梅田周辺)や中央区(本町・心斎橋など)、西区(堀江・阿波座周辺)といった人気エリアでは、築浅や駅近の物件だと1,800万円〜2,500万円前後になることもあります。
続いて賃料をみていきましょう。大阪市24区と周辺の市を抜粋し掲載しています。
※本グラフは、Yahoo!不動産 大阪府の家賃相場より株式会社FGHが作成したものです。
※大阪市・吹田市を抜粋※数値は2025年7月5日時点のもの)
賃料の相場としては、郊外で月額3.5万円〜4万円程度、都心部では月額6万円〜8万円前後が一般的。
東京に比べて全体的な相場は800万円ほど下がりますが、大阪もワンルームマンションの価格相場は2013年と比べると大きく上昇しています。
大阪市内の中心部、キタ(梅田周辺)・ミナミ(難波・心斎橋)といった都心エリアの人気が高まってる共に、高騰している東京都ではなく比較的手ごろな大阪府の購買需要が増えたことが要因です。
大阪は東京と同じく日本の中では需要が高いので、しばらく相場は安定する可能性がありますが、大阪府全体の人口が減り続けていることは大きなリスク要因となっています。
>>大阪府のワンルームマンション売却事情について詳しくみる
ワンルームマンションの売却を検討すべきタイミングとは
以下の条件に当てはまる場合、売却を検討すべきタイミングと言えます。
✅価格が高騰している時期
✅赤字の回復が見込めないとき
✅将来的な賃貸需要に不安があるとき
当たり前にも感じますが、実はとても大切な事なので詳しく解説していきます。
価格が高騰している時期
価格が高騰しているタイミングでの売却は投資の基本であり、大きなチャンスです。
不動産価格が上昇している局面では、市場全体の需要が高まっており、購入希望者が増えているため、相場よりも高値で売却できる可能性が高くなります。
また、不動産会社も高値で売れる可能性があると見込んで積極的に動くため、条件のよい買い手を紹介してもらえる機会も増えます。
赤字の回復が見込めないとき
赤字の回復が見込めない状況とは?
・空室が続く
・家賃が想定より低い
・収益より支出が上回っている
一時的ではなく、常に赤字が続いている場合は注意です。
赤字状態が続けば収益を得ることが成立せず「負債」と化してしまいます。
また、築年数の経過に伴って物件の資産価値は徐々に下がっていくため、売却のタイミングを先送りすればするほど、売れる価格も下がってしまうのです。
無理に赤字物件を持ち続けるなら、売却時に損失が出るとしても「損切り」としての売却も必要な判断。
物件価格が上昇している今だからこそ、条件の良い価格で手放せる可能性が残されているとも言えます。
将来的な賃貸需要に不安があるとき
ワンルームマンションは単身者向けの物件なので、環境の変化で賃貸需要が下がってしまう場合もあります。
賃貸需要が下がる要因とは?
・大学や企業の移転もしくは撤退
・企業の撤退
・再開発による道路の停滞
賃貸需要が下がれば家賃も下落して物件の収益性も低下します。
長期空室のリスクが高まるだけでなく、今後売却を試みた際に「入居率が悪い物件」として評価され、買い手からの査定額も下がりやすくなるため、資産としての価値が大きく損なわれてしまう可能性があるのです。
投資用マンション周辺で環境の変化が起きる予兆が見えた場合、売却を検討すべきタイミングと言えます。
売却と比較した「保有」のメリット・デメリット
売却せずに保有し続ける選択は、継続的な収入や資産形成といったメリットがある一方で、空室や維持費のリスクといったデメリットも存在します。
メリット
赤字収支になっていない場合は、引き続き毎月の家賃収入を得られる点が一番のメリット。
将来的に相場も上がる見通しのある地域ならば、年数が経過しても物件価格が上がることもあります。
また、不動産はインフレに強い資産なので、万が一将来的にインフレが加速した場合、現金資産を持つよりは価値が目減りするリスクは低くなります。
デメリット
✅空室リスクがある
✅修繕・維持コストの値上がりリスク
✅経年により資産価値が低下する可能性がある
やはり、空室リスクと賃料の下落が大きなネック。
入居者が退去した場合、次の入居者が決まるまで収入が途絶えるだけでなく、リフォーム費用や広告費が必要になります。
物件の築年数が進むにつれて資産価値は下がり、賃料も徐々に低下する傾向があります。
管理費・修繕積立金・固定資産税などの維持費もかかり続けるため、収益性が悪化すれば、保有が家計の負担になる恐れもあります。
将来的に売却しようと思っても、老朽化や立地条件の変化により、思うような価格で売れないというリスクも否めません。
売却する際の手順と注意点
ワンルームマンションの売却には注意すべき点がたくさんあり、何も考えずに売却するのは損してしまう要因となります。
不動産物件は、売り方によって数十万円〜数百万円の差が出てしまうほどシビアな世界だからです。
本項目では、売却する際の手順と注意点を詳しく解説します。
売却の一般的な流れ
ワンルームマンションの売却は不動産会社へ査定を依頼し、現在の市場価格を把握することから始まります。
媒介契約には「専任媒介」や「一般媒介」など種類があり、契約形態によって報告の頻度などが変わります。
媒介契約後、不動産会社は物件の広告や内覧対応などの販売活動を開始し、購入希望者が現れれば価格交渉や条件調整を行います。
条件が合意に至れば売買契約を結び、手付金の授受や重要事項の説明を受けます。その後、引き渡し日までにローンの返済手続きや必要書類の準備を進めます。
最後に、引き渡し日に物件の現況確認や鍵の引き渡しを行い、売却代金を受け取ります。
所有権移転登記は司法書士が行い、正式に所有権が買主へ移ります。
仲介と買取の違い
ワンルームマンションの売却方法には主に「仲介」と「買取」の2つがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。
まず「仲介」とは、不動産会社が売主の代理として買主を探し、市場で一般の買い手に向けて販売活動を行う方法です。
仲介売却のメリットは、時間がかかる場合もありますが競争によって高値で売れる可能性があることです。
しかし、売却が成立するまでに数ヶ月かかることもあり、売主は売却活動に一定の期間付き合う必要があります。
一方「買取」とは、不動産会社や専門業者が直接物件を買い取る方法で、早期に現金化したい場合に向いています。
しかし、買取の場合、買い手が業者1社に限定されるため、価格は市場価格よりも一般的に低く設定される傾向があります。
● 仲介=時間をかけてより高値で売る方法
● 買取=スピード重視で早く現金化する方法

山丸慎太郎
「もし少しでもお時間に余裕があるなら、やはり“仲介”での売却をおすすめします。
高値で売れる可能性があるからです。
弊社はワンルームマンションに特化し営業して18年、優良な購入希望者ネットワークに一斉にアプローチできる体制があります。
売却開始からお引き渡しまで平均して80日〜90日を目安に動いています。(業界ではかなり短い方だと思います)
契約条件が少し難しい物件や、他社で敬遠されたようなケースもぜひ一度ご相談ください。」
サブリースがついている場合の注意点
サブリースとは不動産管理会社などがオーナーから一括して賃貸借契約を結び、入居者に貸し出す仕組みで、オーナーは空室リスクを抑えて安定した賃料収入を得られるメリットがあります。
ワンルームマンションの売却時にサブリース契約がついている場合、大きな注意点3つがあります。
引き継ぎの可否
1つ目の注意点は、サブリース契約の解約条件や引き継ぎの可否です。
サブリース契約の中には一定期間の契約期間が定められている場合があり、契約内容によっては簡単に解約できないケースがあります。
さらに、サブリースを解約する場合、高額な違約金が発生する場合もあるのです。
売却後に買主がサブリース契約を継続する場合、その契約条件に同意する必要があるため、契約内容を事前に詳細に確認し、買主に正確に説明できるようにしておくことが重要です。
サブリース会社とのトラブルリスク
2つ目の注意点は、サブリース会社とのトラブルリスクです。
サブリース契約では賃料保証がある一方で、賃料の減額請求や契約条件の変更がオーナーに通知されることがあります。
売却時に契約上の問題や未解決のトラブルがあると、買主にとって大きなリスクとなり、売却価格の減額や契約の成立が難しくなる可能性があります。
契約が売買契約後も継続する
3つ目の注意点は、契約が売買契約後も継続されるため、買主が将来的に契約内容に縛られる点です。
買主が自由に賃料設定や入居者募集を行えないため、投資としての自由度が低下する物件であることを理解して購入する必要があるのです。
サブリースが付帯しているワンルームマンションを売却する際は、契約内容の詳細な把握と透明な情報開示が欠かせません。
事前に不動産会社や専門家に相談し、契約の引き継ぎや解約手続きの方法を確認しておくことが、円滑な売却につながります。
高く・スムーズに売却するためのポイント
最後に、ワンルームマンションを高く・スムーズに売却するためのポイントをご紹介致します。
複数の不動産会社に査定を依頼する
売却を相談する不動産屋は1社だけでなく、複数社に査定を依頼して比較検討すると良いでしょう。
売却実績が豊富で、ワンルームマンションや投資物件に強い不動産会社を選ぶことで、的確な販売戦略と良い買い手との紹介が期待できます。
1番初めに行った近所の不動産屋さんに売却してもらうなど、深く考えず売却するのだけは避けてください。
不動産屋さんもピンキリで、中には「何も知らないみたいだから安く買い取ってやろう」と考えている場合もあるのです。
エリア特性を理解している業者を選ぶ
エリア特性の理解とは
● 地域の人口動向
● 入居者の傾向
● 家賃相場
● 周辺の競合物件
など、地域の情報に精通している業者であれば、適切な販売価格を提示してくれるはずです。
もし、地域に不慣れな業者に依頼すると、適切な価格設定や販売戦略ができず、売却が長引いたり、安値で手放す結果になることもあります。
ワンルームマンションを売却する際は、単に知名度や手数料の安さだけで業者を選ぶのではなく、その地域の不動産市場に精通し、過去の取引実績が豊富な会社を選ぶことが大切なのです。
\ FGHにおまかせ /

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 2級ファイナンシャルプランニング技能士 / インテリアコーディネーター
株式会社FGH マーケティング部
新卒以来、不動産業界・建設業界に一貫して従事し、投資用ワンルームマンションの売買・管理・活用に関する豊富な実務経験を積む。
専門知識を活かしつつ、初心者の方にもわかりやすく情報を届けることをモットーに、コラム執筆や監修にも携る。
プライベートでは2児の母。家庭でも「お金の大切さ」を子どもと一緒に学びながら、楽しく金融教育に取り組んでいる。
このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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