【不動産投資 一棟編⑰】総収益率(FCR:Free and Clear Return)について

公開日2022/03/08
更新日2022/03/08

前回は、「全期間利回り(IRR:Internal Rate of Return)」についてお伝えしました。

前回のコラムはこちらになります。

今回は、「総収益率(FCR:Free and Clear Return)」についてお話したいと思います。

 

・総収益率(FCR:フリーアンドクリア リターン)とは?

以前のコラムでご紹介したNOI(ネットオペーレーティング インカム)の利回りになります。

NOIとは、何ぞや?という方は、こちらをご覧ください。

 

  • ●不動産投資における利回りは主に3つあります。

①表面利回り(グロス利回り)

年間家賃収入÷物件購入価格×100

 

②実質利回り(ネット利回り)

(年間家賃収入-年間の経費)÷物件購入価格×100

 

③FCR(NOI利回り)

NOI÷物件購入価格(購入諸経費含む)×100

 

②と③の違いがよく分からないと思いますが、分かりやすくいうと、②のネット利回りは、簡易的な経費のみ算入して算出された営業純利益をもとに算出された利回りになります。

一方、③のFCR(NOI利回り)は、空室損、固定資産税、賃貸管理手数料、家賃下落、修繕費用などより詳細な想定経費を含めて算出した営業純利益をもとに算出された利回りになります。

(厳密には、FCRは分母の物件購入価格に購入諸経費が加算されますが、NOI利回りは物件購入価格に購入諸経費が加算されないという違いがあります。営業純利益の算出方法は同じであるため、ここでは一緒にご紹介します。)

 

そもそも、②と③は同じだという考え方もあります。

投資用区分マンションの業界では、FCRという考え方があまり浸透しておらず、ネット利回りというと、経費として、いわゆる「かんつみ」と言われる管理費および修繕積立金だけ算入して計算している方々が多いですね。

収益不動産の一棟物件を多く取り扱っている業界関係者は、ネット利回りというと、FCRを連想し、より詳細な経費を算出することが当たり前の考え方になります。

 

区分と一棟では、購入価格が一棟の方が高くなるケースが多いので、おのずと支出の費用をしっかり算出する傾向があるということですね。区分マンションは共用部分を管理組合が対応することもあり、原状回復工事以外は大体の費用が読めることから、簡易的な経費のみ算入するネット利回りが定着するのも理解できます。

とは言え、区分投資マンションも安いものではないので、できるだけ詳細な想定支出を把握いただく必要はあると思います。

 

当社が推奨している独自の投資指標にリスクパーセンテージという指標がありますが、こちらは、FCRに基づく考え方でより詳細な想定支出を考慮して、区分投資マンションのリスクを見える化できる指標となっています。

是非、チェックしてみてください。投資スケルトン

 

いかがでしたか?

FCRは、表面利回りだけでは図ることのできない物件の収益性を確認するために重要な指標となります。物件を今から購入される方もすでにお持ちの方も今一度、詳細な想定支出を算出していただければ将来得ることができる利益が見えてくると思います。

 

今回は以上となります。

次回は、自己資金配当率(CCR:Cash on Cash Return)をお伝えしようと思います。

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役社長 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。

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