【不動産投資 一棟編⑲】売却運用率について
前回は、「自己資金配当率(CCR:Cash on Cash Return)」についてお伝えしました。
前回のコラムはこちらになります。
今回は、「売却運用率」についてお話したいと思います。
・売却運用率とは?
投資物件を売却することによって、その投資のトータル的な結果が分かります。
売却とは購入するのと同じぐらい大切な最後のフローです。
どのくらいのパフォーマンスで売却できたか、ご存知ですか?
案外何となく売却を決めていたり、売却した結果を数値計算せずにやり過ごしていたりしていませんか?
ご自身で売却成果を確認するのは面倒かもしれませんが、売却運用率を売却前に計算してみると大切な最後のフローの売却を数値的に判断することが可能です。
- ●計算式
売却運用率® = 現売却金額 ÷ (◯年後の売却金額 + ◯年後までの実質収支)
数年後の売却運用率分が、今物件を売却する事で、その分、得をすると言う倍数を計算したものになります。
3年後が1.3倍ならば、3年後に売却するよりも今売却すれば、1.3倍お得に売却が可能という事になります。
『今売却した金額』と『◯年後の売却金額+◯年後までの実質収支』を比べた数字になります。
こちらは、2014年に当社と某大手コンサルティング会社との共同開発として生まれた投資指標になります。
同時に開発した「リスクパーセンテージ®」も合わせてご活用いただければ、保有し続けるべきか、売却するべきかの判断を数値的に測ることが可能です。
〇年後の売却金額は、3年後、6年後、9年後と3年ごとに売却予想金額が変わるようになっており、中長期的な視点で、いわゆる売却お得倍率を算出することができます。
また、売却予想金額は成約事例をもとに予想されており、売出金額をもとに算出されるものよりも精度が高いと言えます。
売出金額は、売主側の希望額とも言える金額であるため、実際の成約金額と乖離があることが多く、当社では成約事例を採用しています。
不動産経営において現状の収支と将来の収支を様々なリスクを考慮して把握することが重要で、売却の判断、保有の判断、再投資の判断を数値的に、かつ納得感を持ってすることが最終的な投資効率を上げることに繋がります。
弊社の独自サービス「投資スケルトン」でも本指標をご確認いただけますのでご興味のある方はお気軽にご利用ください。
このコラムを書いている人
渡邊 勢月矢
株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算10000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
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