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不動産業界歴35年の中村が憂うマイナンバー

税務当局の多年にわたる悲願成就 「マイナンバー」に名前を変えただけの国民総背番号制度

2016年1月に運用が開始されてから、マイナンバーについての報道が最も多く見られたのは昨年のことでした。

コロナ対策特別給付金の受給をめぐって、個人の銀行口座情報と、マイナンバーとをひもづけると、速やかな給付ができますよ、という胡散くさいキャンペーンが繰り広げられていたのをご記憶の方も多いでしょう。

二度目の給付はありません、と断言してるのに、よく言うわ、と思ったのは私だけではないと思います。

この議論は、マイナンバーカードと免許証を統合する案が浮上するなど、迷走を続けたあげく、昨年11月には、両者のひもづけの義務化については時期尚早として、見送られることになりましたが、将来的には義務化ありきの方向性に流れていくように思えてなりません。

 

 

マイナンバー法の狙い

もともとのマイナンバー法も、両者のひもづけを盛り込んだ改正マイナンバー法も、いずれも行政府たる内閣提出法案で、法案作りを担っているのは政治家ではなく、官僚だからです。

行政上の利便性を促進するためのマイナンバー法については、近年の移民促進政策の副作用としての治安悪化への対応としても有効ですから、反対する理由はありませんが、これに乗っかるように火事場泥棒的に採決されてしまった改正マイナンバー法については、個人的には憲法違反だと信じているので、読者のみなさんには注意を喚起しておきたいと思います。

そもそも、政府当局によって、国民全員に番号を割り当て、管理していこうという議論は、半世紀以上前に遡り、政府与党が意見を取りまとめては、野党が猛反対して頓挫するという歴史を繰り返してきました。

国民総背番号制はプライバシーの侵害である、というのが反対の旗印でしたが、往時の野党の支持母体は労働組合が主で、組合の指導者は概ね社会主義者でしたから、地下に潜らなきゃならなかった先達たちから受け継いだ血が騒いでの自衛反応だったのでしょう。

ところが、野党第一党の党首が首相に就任したとたんに、自衛隊は合憲だと言い出したあたりから結束が緩みはじめ、次の野党政権時に起きた東日本大震災の混乱収拾に乗じたものか、政治家は官僚に洗脳され、野党政権から国民総背番号制度の子孫であるマイナンバー法が、内閣法として提出されるという皮肉な経過をたどることになりました。

いったん基幹法が成立してしまえば、改正につぐ改正をもって、政府当局に有利な変更を加えていくことは、国税通則法や地方税法施行規則などのたび重なる改正で証明ずみですから、国民の金融資産の捕捉を長年の宿願としてきた税務当局の得意、もって思うべしです。

マイナンバー普及のためのキャッチフレーズのひとつには、公平・公正な社会の実現、が掲げられており、言外に富裕層の課税逃れを匂わせることによって、庶民の嫉妬心をあおって多数派意見に取り込もうとする思惑が透けて見えますが、その手に乗ってはいけません。

 

 

でも節税したいのは健全な庶民感情

我々庶民だって、お上への年貢をなんとか誤魔化そうとしてきたDNAは持っているはずです。

野党が機能していない今、監視社会への道を阻めるのは、我々の世論しかないとうことを肝に銘じていてほしいと思います。

これが阻めている限りにおいては、不動産を通じた節税には、まだ一縷の望みがあるからです。

中村彰男
投稿者中村彰男
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1961年 東京生まれ 学習院大学経済学部卒業後、約30年間一貫して不動産業に従事。 うち、ローンコンサルティングなど 業務畑経歴24年。自身も不動産投資にチャレンジし運用に失敗した経験を持つ。
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