【実録!テキサス不動産投資失敗/Tさん編】④
2020.9.14
代表取締役会長 渡邊 勢月矢
テキサス州のコンドミニアム購入を決意
私のテキサス不動産売却のトラブルを綴ったコラム「アメリカ不動産投資、売却は気をつけろ!」に多くのレスポンスをいただいております。
そんななか、東京都在住のサラリーマンTさんからメールをいただきました。
Tさんもまたテキサス不動産投資で失敗してしまった当事者で、「私の経験が皆さんの役に立つならば……」と詳しくお話いただきました。
当コラムでは【実録!テキサス不動産投資失敗/Tさん編】として、Tさんの失敗体験をご紹介いたします。
ご購入された物件は、下記の内容になります。
物件価格:99,800ドル
想定賃料:840ドル/月額
管理費:462ドル/月額
固定資産税:727ドル/年額
想定NOI:3,809ドル/年額
想定NOI利回り:3.81% ※空室損は考慮していません。
【第1回】 テキサス不動産の被害者Tさんからのメール
【第2回】 アメリカ不動産に興味を持ったワケ
【第3回】 初めてのテキサス不動産投資セミナー
以下Tさん談
私はR社の主催する不動産投資セミナーに参加して、すっかり購入する気になりました。
物件はテキサス州の北部にある「Tコンドミニアム」です。
コンドミニアムというと、タワーマンションのような大きなビルを思い浮かべるかもしれませんが、まったく違います。
別荘地のように木造の戸建てというか、テラスハウスが連なっています。
このような平屋もしくは2階建てのコンドミニアムが20棟200戸以上建てられているのです。
さすがアメリカだけあって、ゆったりとした造りで、敷地もとても広くて、一つの街が形成されています。
この200戸以上あるTコンドミニアムのうち150戸以上をR社が日本の投資家さんに販売をしていました。
1981年築で、平均の広さが75平米程度。木造のかなり古い建物ですから、そのままでは使えないため大幅なリノベーションを施すという説明を受けました。
価格はそのリノベーション費用も含めて9万9800ドルです。
それで想定賃料が840ドル程度。うち、管理費用が月々462ドルです。
管理費用がとても高く感じたのですが、これは火災保険料を含んだ料金です。
テキサスはたくさんハリケーンがくるため、火災保険が高い、と。そういった説明を受けて納得しました。
そのほか年間の固定資産税が727ドルです。じつは購入した2018年時点での固定資産税はもっと低かったのです。
R社の説明では、テキサスは他の州に比べて固定資産税は高めだけど、物件が古くて修繕が必要な状態ということで、価値が低くみられ、固定資産税も低いということでした。
それが2年間で値上がりしています。理由は不明です。
このように細かい説明を受けて購入を決断しました。
私が購入したのは、1番小さなユニットで価格も手ごろなせいか、人気がありすぐ売り切れました。
【第1回】 テキサス不動産の被害者Tさんからのメール
【第2回】 アメリカ不動産に興味を持ったワケ
【第3回】 初めてのテキサス不動産投資セミナー
【第4回】 テキサス州のコンドミニアム購入を決意
【第5回】 実勢価格を調査。相場より高くない、むしろ良心的な価格
【第6回】 ノンバンクで50%のローンを組んでユニット購入
【第7回】現地視察ツアーに参加、テキサス州のコンドミニアムを見学
【第8回】2019年夏、幹部による2億円の横領!?
【第9回】2019年いよいよR社の破綻へ……
【第10回】2020年春、いよいよR社が破綻!
【第11回】ダラス市からの是正勧告、放っておくと罰金
【第12回】知らないうちに入居者が住んでいた
【第13回】高額の会費がかかるオーナー会
【第14回】(最終話)しっかり物件を選んでも失敗はある
このコラムを書いている人
渡邊 勢月矢
株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算10000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
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