【実録!テキサス不動産投資失敗/Tさん編】⑩

公開日2020/12/28
更新日2021/07/31

 

2020.12.28
代表取締役社長 渡邊 勢月矢

【実録!テキサス不動産投資失敗/Tさん編】

 

2020年春、いよいよR社が破綻!

私のテキサス不動産売却のトラブルを綴ったコラム「アメリカ不動産投資、売却は気をつけろ!」に対して、感想のメールを東京都在住のサラリーマンTさんからいただきました。

Tさんもまたテキサス不動産投資で失敗してしまった当事者です。「私の経験が皆さんのお役に立つならば……」と詳しくお話いただきました。当コラムでは【実録!テキサス不動産投資失敗/Tさん編】として、Tさんの失敗体験をご紹介いたします。

ご購入された物件は、下記の内容になります。

物件価格:99,800ドル
想定賃料:840ドル/月額
管理費:462ドル/月額
固定資産税:727ドル/年額
想定NOI:3,809ドル/年額

想定NOI利回り:3.81% ※空室損は考慮していません。

【第1回】 テキサス不動産の被害者Tさんからのメール
【第2回】 アメリカ不動産に興味を持ったワケ
【第3回】 初めてのテキサス不動産投資セミナー
【第4回】 テキサス州のコンドミニアム購入を決意
【第5回】 実勢価格を調査。相場より高くない、むしろ良心的な価格
【第6回】 ノンバンクで50%のローンを組んでユニット購入
【第7回】現地視察ツアーに参加、テキサス州のコンドミニアムを見学
【第8回】2019年夏、幹部による2億円の横領!?
【第9回】2019年いよいよR社の破綻へ……

以下Tさん談

2019年の秋ごろからどんどん雲行きが怪しくなってきました。7月までは私はR社を信頼していましたから、社長に「頑張ってください!」というメールを送りましたし、「絶対に立て直します」という返信もいただきました。その後いつまで経ってもリフォームの見通しもたたず、家賃保証もできないという展開になり、2020年2月には「業績悪化で財務状況の改善が見込めない」という連絡がきました。

不信感が募るなか、それでもR社の担当の方とやりとりができていました。ただし、窓口といってもメール対応だけで電話をしても繋がりません。私以外の人も繋がらないと言っていました。

そんななか2020年の3月に以下の文書が送られてきたのです。

●R社からの文書。状況報告はこれ以降送られていない

悪い予測は大当たりしました。業績悪化で物件の外装工事、内装工事もままならないうえ、管理の継続もできないため、管理会社を変更するようにという要請です。この頃、R社はすでに破綻していると思われますが、正式な連絡はありません。

それを聞いたのは、相談に乗ってもらっていた、アメリカの別のエージェントからです。「R社は日本でいうところの倒産の申請が出ています。だから裁判をしても、お金は取れないと思いますよ」と告げられました。文書には「状況説明会を4月末ごろに予定しております」と書いてありますが、未だに行われていません。この頃に新型コロナウイルスの影響で、緊急事態宣言が出されたこともありストップしています。

最後の連絡は2020年4月14日にきたメールです。やはり早く管理会社を変えてくれという内容でした。その書面には管理会社の候補として3社ありましたが、私には「R社からの紹介は信用できない」という気持ちもありました。しかし自分で新しい管理会社を探すこともできず、候補に挙げられた中からB社に管理を委託することにしました。担当はYさんという日本人女性です。その手続きにあたってR社からもらう書類があったのですが、R社に連絡をしても返信はありません。

R社もB社もテキサスの会社ですから、R社の状況は日本にいる私たちよりは詳しく把握しているだろうと思います。しかし、文書のやり取りが中心のせいか、必要以外の情報は入りません。物件の状況や今後どう進めていくのかといった話はしていますが、R社がどうなったのかという話は一切出ないです。

R社はアメリカで長く営業を続けていますし、それまでは誠実な仕事をしていたように見えます。社長さんとも何度かお話をしていますが、そんなに悪い人だなんて未だに思えません。ただ私が買った2018年は物件価格が上昇しているタイミングで、テキサス不動産投資が過熱していました。横領をしたと言われる幹部の営業力によって、すごく業績が伸びたのでしょう。その頃のR社は派手なセミナーを行っており、お客さんをたくさん集めてアメリカ不動産をどんどん売っていったわけです。

その一方で参入する会社も増えており、R社だけでなくもっと大手の会社もテキサス不動産を販売していました。そうやってライバルが増えてくるなか、物件の値上がり率や土地の価格も鈍化してきたのではないでしょうか。極めつけは税改正です。にもかかわらずR社の事業計画は、ずっと右肩上がりを想定していたのではないか、と。そうして収支のバランスがおかしくなり、財務状況が悪化していったのだと推測します。

 

【実録!テキサス不動産投資失敗/Tさん編】
【第1回】 テキサス不動産の被害者Tさんからのメール
【第2回】 アメリカ不動産に興味を持ったワケ
【第3回】 初めてのテキサス不動産投資セミナー
【第4回】 テキサス州のコンドミニアム購入を決意
【第5回】 実勢価格を調査。相場より高くない、むしろ良心的な価格
【第6回】 ノンバンクで50%のローンを組んでユニット購入
【第7回】現地視察ツアーに参加、テキサス州のコンドミニアムを見学
【第8回】2019年夏、幹部による2億円の横領!?
【第9回】2019年いよいよR社の破綻へ……
【第10回】2020年春、いよいよR社が破綻!
【第11回】ダラス市からの是正勧告、放っておくと罰金
【第12回】知らないうちに入居者が住んでいた
【第13回】高額の会費がかかるオーナー会
【第14回】(最終話)しっかり物件を選んでも失敗はある

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役社長 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。

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