【実録!テキサス不動産投資失敗/Tさん編】⑤

公開日2020/10/06
更新日2024/01/11

 

2020.10.6
代表取締役会長 渡邊 勢月矢

仕事する人

実勢価格を調査。相場より高くない、むしろ良心的な価格

私のテキサス不動産売却のトラブルを綴ったコラム「アメリカ不動産投資、売却は気をつけろ!」に多くのレスポンスをいただいております。ありがとうございます。
 
そんななか、「私もアメリカ不動産で失敗しました」と東京都在住のサラリーマンTさんからメールをいただきました。
 
当コラムでは【実録!テキサス不動産投資失敗/Tさん編】として、Tさんの失敗体験をご紹介いたします。
 
ご購入された物件は、下記の内容になります。
 
物件価格:99,800ドル
想定賃料:840ドル/月額
管理費:462ドル/月額
固定資産税:727ドル/年額
想定NOI:3,809ドル/年額
 
想定NOI利回り:3.81% ※空室損は考慮していません。
 
高額で手が出ないロサンゼルスをあきらめて、テキサスに目をむけたTさんは、R社の不動産投資セミナーを受けて、コンドミニアム購入を検討するようになりました。
 
【第1回】 テキサス不動産の被害者Tさんからのメール
【第2回】 アメリカ不動産に興味を持ったワケ
【第3回】 初めてのテキサス不動産投資セミナー
【第4回】 テキサス州のコンドミニアム購入を決意

 
以下Tさん談
 
テキサス不動産を購入したのは2018年の春ごろです。
 
決断は我ながら早かったと思いますが、そのセミナーだけで買う結論を出したわけではありません。
 
短期間とはいえ、当時はR社のセミナーだけでなく、たくさんのセミナーに参加していましたし、アメリカの不動産情報サイト「Zillow」で、似たような物件がどれぐらいの相場で売られているのかも調べました。
 
私が購入検討していたのが、前回説明した通り、テキサス州にあるTというコンドミニアムです。
 
するとちょうど、同じ物件の情報が「Zillow」に出ていたのです。
 
それはR社の案件ではなくて、本当に普通にそこでコンドミニアムを所有している人が売りに出したと思うのですが、たしか価格が8万5000ドルくらいでした。
 
私の場合、リノベ込みで9万9800ドルですから、いわゆる実勢価格(実際に取引されている価格)に比べて1万5000ドル高いということです。
 
もちろん、投資物件専門の会社が日本の投資家向けに販売しているわけですから、利益を乗せずに売っているとは考えられません。
 
それでも、工事費用も含めて考えれば、相場をかけ離れた価格ではないなと判断しました。
 
もちろん、R社がTコンドミニアムを仕入れる際には、大量購入しているわけですから、相場よりもずっと安く購入しているでしょうし、リフォーム費用も安く抑えているでしょう。
 
しかし、それらを含めて考えても、意外に良心的な価格だと思いました。
 
あとは、セミナーの目玉としては、4年間で減価償却することによる節税を押していましたが、私は節税が目的ではありませんでした。
 
そこまでの高給取りではありませんし、自分のお願いしている税理士さんの事務所の見解としても、あまりおすすめできないという話でした。
 
結果からすれば、今年の法律が改正されて、2020年4月からは買った時期に限らず減価償却ができなくなりました。
※法改正の影響については、【特集】アメリカ不動産投資、売却は気をつけろ!⑫で詳しく解説しています。
 
このように、私は節税対策として、テキサスのコンドミニアムを購入したわけではありません。
 
では、キャピタルゲイン(売却益)狙いかっていえば、もちろんそれもあります。
 
「将来、高く売れたら嬉しい」という願望にくわえて、ゆくゆくはアメリカ移住をしたいという気持ちもあったからです。
 
具体的な話ではなく「いつ・どこで」というよりかは、憧れのような気持ちです。
 
これまでずっとロスの不動産見ていたなか、1億円や2億円など手が届かなくて諦めていたところを、日本円1000万円台で買えると知って衝撃を受けて、「このタイミングを逃さず、買っておかなくては……」と思ったのです。
 
テキサスに住もうとは思わなかったけれど、それでも移住する際に、自分の所有物件が1戸あるというのは心強いように思えました。
 
また、私は不動産に関わる仕事をしていたこともあり、アメリカ不動産の契約にも興味がありました。
 
テキサスはこれからずっと伸びていく。
 
キャピタルはもう間違いなく得られる。
 
そう言われたら、勉強代として払う分として、そこまでのリスクもなく投資ができる……と。アメリカ不動産を知る、勉強するにはぴったりのチャンスだと考えたのです。
 
長く所有していればキャピタルゲインを得られる可能性もあるし、そこまで多くはないけれどインカムゲイン(運用益)にも期待ができます。

 

【実録!テキサス不動産投資失敗/Tさん編】
【第1回】 テキサス不動産の被害者Tさんからのメール
【第2回】 アメリカ不動産に興味を持ったワケ
【第3回】 初めてのテキサス不動産投資セミナー
【第4回】 テキサス州のコンドミニアム購入を決意
【第5回】 実勢価格を調査。相場より高くない、むしろ良心的な価格
【第6回】 ノンバンクで50%のローンを組んでユニット購入
【第7回】現地視察ツアーに参加、テキサス州のコンドミニアムを見学
【第8回】2019年夏、幹部による2億円の横領!?
【第9回】2019年いよいよR社の破綻へ……
【第10回】2020年春、いよいよR社が破綻!
【第11回】ダラス市からの是正勧告、放っておくと罰金
【第12回】知らないうちに入居者が住んでいた
【第13回】高額の会費がかかるオーナー会
【第14回】(最終話)しっかり物件を選んでも失敗はある

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算10000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

関連する記事